胃潰瘍の体験
胃潰瘍の体験
|
胃潰瘍の体験
ストレス、病気、極度の不安、過労など、 原因はとても身近にあり、ポピュラーな病気ともいうことのできる「胃潰瘍」。 原因や症状がわかっていながら気分転換の下手な日本人には、 なかなか防ぐことのできない病気であるということができるでしょう。 今思えば、長く続く胸やけがその前兆だったのかもしれません。 どんよりとした黒い雲が胸の中に溢れているような重苦しい感覚に始まり、 それが徐々に凝縮され、大きな塊となって胃の中を占領してしまったような膨満感に、 すっかり食欲は失せてしまいました。 好きだったコーヒーも飲む気がしなくなり、 脂っこいものや極端に冷たいものも喉を通りません。 ところが意外なことに、普段口にすることのない日本酒やウイスキーなどのアルコールが、 飲むと胃の中で温かくなり、わずかな時間痛みを忘れさせてくれたのです。 ビールのような炭酸飲料やあまりに度の強いもの、多量に摂取することは論外ですが、 医学的な意見を無視すれば、 少量のお酒は胃と心をひと休みさせてくれる効果があったようです。 とはいえ飲む量もかわいいもので、 コップ半分ほどの日本酒を薬のように飲むことがちょうど良い程度でした。 「最近、胃のあたりがすっきりしない」という言葉を口癖に、 本能的に過度な飲酒を避けつつ、胃薬さえ飲んでいればそのうち治るだろうと、 風邪のひき始めと同じような感覚で考えていました。 胃腸薬がまったく効いていないことを自覚する頃には、 緑茶のカフェインすらも胃が受け付けず、 ほどよく温めたお湯やうすい麦茶を愛飲するようになっていました。 もちろん、もっと早く気づいていても良いはずであるのですが、 これが胃潰瘍の恐ろしいところで、 最大の原因とされるストレスが、自分の体調にまで気を回すことを妨げていたのです。
|